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二つの世界を繋ぐ • 東京 → NY • 文化が息づく街

なぜスローまたはファストを作ったのか

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なぜSlow Or Fastなのか


Slow Or Fastは東京で生まれました。でも、最初からどこか一つの場所だけに属するブランドにするつもりはありませんでした。

僕はこれまで、さまざまな国や街、業界を行き来し、数えきれないほど飛行機に乗ってきました。そんな生活の中で、いつも人と人、場所と場所をつないでくれたのが、レコード、服、音楽、旅、そしてその周りにいる人たちでした。

それが、Slow Or Fastの原点です。

世の中に、もう一つ新しい服のブランドが必要だったから始めたわけではありません。トレンドに合うカテゴリーや、Instagram広告で映える商品を考えた結果でもありません。

僕たちがすでに夢中になっていたもの。時間を過ごしてきた場所。そして、その道の途中で出会ってきた人たち。Slow Or Fastは、そこから自然に生まれました。

何かに本気で向き合う人たち。

箱の底に眠る一枚のレコードを見つけるためなら、半日でも掘り続ける人。ロゴを見る前に、シャツのシルエットや着心地に気づく人。誰もが知る曲ではなく、その先にある一曲をかけたいDJ。ほとんど誰にも気づかれないような細部にまで、手を抜かないデザイナー。

そんな人たちは、世界中にいます。

東京、マニラ、ニューヨーク、ロサンゼルス、サンフランシスコ、フィラデルフィア、ソウル、台北、ロンドン。そして、僕たちがまだ訪れたことのない街にも。

Slow Or Fastが生きていくのは、そういう世界です。

ブランド名について

この名前は、親しい友人のひと言から生まれました。

数年前、何かを一緒に始めようと初めて話していたとき、彼が何気なく「Slow Or Fast」と口にしました。そのときは、ただ響きがいいと思っただけでした。シンプルで、少し不思議で、覚えやすい。

でも、その言葉がずっと心に残り続けるうちに、当初考えていたブランドの枠を超えて、僕たちが大切にしたい多くのことを表していると気づきました。

少し考えてみれば、あらゆるものには、それぞれにふさわしい速度があります。

時間をかけるからこそ、価値が生まれるものがあります。

10秒で曲を検索する代わりに、レコードを掘る。アルバムをじっくり聴き込み、なぜ自分が惹かれるのかを考える。物事のルーツを知る。どこかへ旅をして、ただ「行った」という事実を残すのではなく、その場所を少しでも深く理解できるまで滞在する。

インターネットが毎日新しいものを求めるからといって、急いで形にするのではなく、納得できるものをきちんとつくる。

人との関係。会話。食事。デザイン。職人の仕事。

早く終わらせることをやめた瞬間に、もっと豊かになるものはたくさんあります。

一方で、迷わず動くべき瞬間もあります。

アイデアがひらめき、これは間違いないと思ったら、動く。DJをしていてフロアの空気が変わったら、すぐに応える。地球の反対側で誰かと出会い、一緒に何かをつくるべきだと感じたら、始める。

ゆっくり進むべきときもあれば、すぐに動くべきときもある。

大切なのは、その違いを感じ取ることです。

Slow when it matters.
Fast when it moves.

何年も前、友人が会話の中で何気なく口にした名前は、いつしか単なるブランド名を超えて、僕たちの考え方そのものを表す言葉になりました。

だから、この名前以外には考えられなかったのだと思います。

すべてはレコードから始まった

写真提供:@ceci.nest.pas.arjun

Slow Or Fastを知ってもらうには、音楽の話から始めるのが一番かもしれません。

僕はレコードを集めています。でも、長年惹かれ続けているのは、物を所有することそのものではありません。レコードが生み出す、さまざまなつながりです。

1970年代のデトロイトでつくられた一枚が、50年後、東京の小さな店にたどり着く。日本でブラジル音楽を聴いた誰かが、そこからまったく新しい音楽をつくる。台湾のDJが、リリース当時にはまだ生まれていなかった人たちで埋まるフロアで、アメリカのソウルレコードをかける。ある世代から忘れられた曲が、サンプリングを通じて、次の世代の大切な一曲になる。

文化は、ずっとそうやって移動してきました。

誰かが何かを見つけ、別の場所へ運ぶ。別の誰かが、自分なりの解釈を加える。そしてまた新しい誰かが、それを見つける。

そうして、文化は動き続けます。

この感覚は、Slow Or Fastのあらゆる部分に息づいています。

だから僕たちにとって、Sound Without Bordersは、ジャケットに印刷するためだけのコピーではありません。

世界中の誰もが「グローバル」という言葉を使い始めるより、ずっと前から、音楽は国境を越えていました。

世界と世界のあいだで

Rico と Skeme Richards @ Bar Blen Blen Blen (東京、日本)

Slow Or Fastには、BUILT BETWEEN WORLDSという言葉がたびたび登場します。

これは、二つの特定の国を結ぶという意味ではありません。日本とアメリカという枠よりも、もっと大きな考え方です。

異なる世界のあいだに、自然体でいられること。

古いものと新しいもの。フィジカルとデジタル。最初にレコードをつくった人と、40年後にそれを見つける人。ある場所で何かを生み出した人と、世界の別の場所で、そこにまったく新しい意味を見いだす人。

Slow Or Fastが生まれた東京、そして日本から、僕たちは多くの影響を受けてきました。細部への意識、品質、サービス、表現。そして、たとえ誰にも気づかれなくても、一つのことに真剣に向き合う価値。

でも、日本を表面的にまねたブランドには、絶対にしたくありません。

「クールだから」というだけで、意味も分からない日本語をデザインに貼りつける。そんなことをしたら、本質から最も遠い場所へ行ってしまいます。

僕が興味を持っているのは、本物の交流です。

異なる人、場所、歴史、ルーツ、価値観が、一つの空間に集まること。

そのほうが、ずっと面白い。

服について

SOF-001は、あえてシンプルにつくりました。

Tシャツ、フーディー、コーチジャケット、バケットハット、トートバッグ。

どれも、僕たち自身が普段から本当に使うものです。

難しいファッション理論を語るつもりはありません。まずは身近なアイテムから始め、一つひとつを自分たちが納得できるものにすることに集中しました。

グラフィックも、ブランドを形づくる同じ世界から生まれています。レコード店、ライナーノーツ、ターンテーブル、指紋、タイムゾーン、街、旅。そして、音楽と長く付き合ってきた人なら気づくような、小さなディテール。

ひと目で分かるものもあれば、知っている人にだけ伝わるものもあります。

僕たちは、それでいいと思っています。

すべてが、見た瞬間に説明できる必要はありません。なぜそれがそこにあるのかを知っていくことも、興味を持つ楽しさの一部だからです。

服だけでは終わらない

Slow Or Fastを、単なるストリートウェアブランドにはしたくありませんでした。

もちろん、服は大切です。服は、アイデアに形を与える方法の一つです。でも、僕たちにとって何より大切なのは、その周りに集まる人たちです。

コレクター、DJ、デザイナー、写真家、つくり手。音楽や服、食、旅、そして多くの人が見過ごすような細部にまで、驚くほどの情熱を注ぐ人たち。

僕たちが最も惹かれるのは、そういう人たちです。

Slow Or Fastが、彼らがお互いを見つけるきっかけになればいいと思っています。

それは一枚のシャツかもしれない。DJセットかもしれない。イベント、レコード、会話、あるいは、いつかつくるリアルな場所かもしれません。東京にいる誰かが、マニラ、ロサンゼルス、ソウル、台北、あるいはまだ知らないどこかにいる誰かとつながる。同じ何かに心を動かされた、というただ一つの理由で。

それこそが、僕たちの本当の目標です。

プロダクトは、コミュニティを形づくる一部。
コミュニティが存在する理由そのものではありません。

三つの世代をつなぐ


Slow Or Fastが大切にしているのは、僕たちより前の世代から受け継いだものだけではありません。それをどう次の世代へ渡していくかも、同じくらい大切です。

僕自身、これまで上の世代から多くのことを教わってきました。

レコード、音楽の歴史、服、デザイン、細部を大切にする姿勢。そして、何かを本当に好きになるなら、それがどこから来たのかまで知ろうとすること。

先輩たちから受け取ったものが、今の僕の土台になっています。

そして今、Slow Or Fastをつくりながら、僕は世代と世代の真ん中に立っているように感じます。

共同創業者のTatsuhiroは僕より若く、次の世代を担う一人です。ブランドを形にしていく中で、彼はずっと僕のそばにいます。

僕とは文化の見方も、受け取り方も違う。だからこそ、僕一人では生み出せない新しい視点を、ブランドにもたらしてくれます。

それは、とても大切なことです。

Slow Or Fastを、僕の育った環境や、上の世代から受け取ったものだけを映すブランドにはしたくありません。これからの世代が入ってこられる余白が必要です。

Tatsuがいることで、その感覚をいつもブランドの近くに置いておくことができます。

コミュニティをつくるとき。アイデアを形にするとき。そして、Slow Or Fastがこれからどこへ向かうのかを考えるとき。

異なる世代が同じ会話の中にいることには、確かな意味があります。

歴史を受け継いできた世代。
そのバトンを受け取り、今を走る世代。
そして、その先にあるものを、すでに考え始めている世代。

これもまた、僕たちにとっての Built Between Worlds です。

国と国のあいだだけではない。
街と街のあいだだけでもない。
文化と文化のあいだだけでもない。

世代と世代のあいだ。

過去を尊重しながら、そこに縛られないこと。今、自分たちのものをつくること。そして次の誰かが、僕たちには想像もできなかった場所へ、それを持っていける余白を残すこと。

Slow Or Fastを、そんな存在にしたいと思っています。

一つの時代にとどまるのではなく、動き続けるブランドに。

SOF-001

これが、僕たちにとって最初の小さなコレクションです。

まだ試行錯誤の途中で、その過程もすべて見える場所にあります。でも、僕はむしろそれが気に入っています。

Slow Or Fastが20年前からアンダーグラウンドに存在していた、というつくり話はありません。1997年の東京に忘れ去られた伝説のクルーがいた、という架空のストーリーもありません。

今、ここが始まりです。

小さなチーム。少量のファーストプロダクション。たくさんのアイデア。そして、おそらくほとんどの人は気づかないディテールやコンセプトについて、気が遠くなるほど話し合う時間。

そして何より、僕たちと同じように文化を見つめている人が、世界中にいるという確信。

発売前から友人たちが街で着ていた服を見て、ここへたどり着いたのかもしれません。レコードを通じて、僕を知っていたのかもしれない。友人に教えてもらったのかもしれない。あるいは、アルゴリズムが一度だけ、いい仕事をしてくれたのかもしれません。

どんな道を通ってきたとしても、ようこそ。

僕たちは、まだ始まったばかりです。

Slow when it matters.
Fast when it moves.
Built Between Worlds.

Rico Smith
Slow Or Fast

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